第37回 ハンガリー語の接尾辞(5)-val/vel
ハンガリー語の接尾辞についてはこれまで、「第12回 ハンガリー語の接尾辞(1)場所の接尾辞1」、「第16回 ハンガリー語の接尾辞(2)対格(-t)」、
「第25回 ハンガリー語の接尾辞(3) 場所の接尾辞2」、および「第26回 ハンガリー語の接尾辞(4) 場所の接尾辞3」で取り上げてきました。
いずれも日本語の「てにをは」、英語の前置詞のように、文の中における単語の位置を示すのに欠かすことのできない役割があります。
今回は接尾辞-val/velについてご紹介します。-val/velの意味は英語の前置詞で言うとwithに近いのですが、これよりもっと幅広く使われます。
今回は、形の作り方と@「〜と一緒に」、A動作の手段「〜で」の使い方をご紹介しましょう。
1)-val/velの形の作り方
さて最初は形の作り方です。-val/velは名詞の後につきます。その作り方は下記の通りです。
@ 母音で終わる語の場合、単語の後に-val/velを入れます。どちらを選ぶかは母音調和によります。
autó (自動車) autóval
fiú (男の子) fiúval
ceruza(鉛筆) ceruzával
vicikli(自転車) viciklivel
Emese(エメシェ:女性の名前) Emesével
tanárnő(女教師) tanárnővel
ここでceruzaの最後の母音aが長母音に変わっているところに注意してください。これは-eで終わる単語の場合も同じです。
A 子音で終わる語の場合
子音で終わる語の場合は、vの代わりに最後の子音を重ねます。
villamos (市電) villamossal
kanál (スプーン) kanallal
kés (ナイフ) késsel
cukor (砂糖) cukorral
vonat (列車) vonattal
なお、sz、zs、ny、ly、ty、gy、csのように二文字で一つの子音を表すような場合は、前にある子音を重ねます。
busz (バス) busszal
Barázs (バラージ:男性の名前) Barázzsal
2)
使い方
@ 「〜と一緒に」
この意味の使い方は「誰かと一緒に何かをする」というような場合もありますが、一番よく耳にするのは食事を注文するとき
「付け合せ」に何をとるかというときです。ハンガリーの食事はメインディッシュ(főétel: 多くの場合肉や魚の料理)に
ジャガイモ(burgonya)や米(rizs)などの「付け合わせ(köret)」を付けます。
„Mivel kéri a
húst?” 「肉に何を添えましょうか?(肉を何と一緒に注文しますか?)」
„Burgonyával.”「ジャガイモをお願いします。(ジャガイモと一緒に)」
もし米を頼むなら„Rizzel.”となります。
A 「〜で」
この使い方は何らかの手段を表現するときに言います。
„Mivel mész haza?” 「どうやって家に帰りますか?」
„Villamossal.” 「市電で(帰ります)。」
もちろん車を使うなら„Autóval.”、「飛行機で」というなら„Repülővel.”となります。
それでは今回はこの辺で。